仕事や遊びでヘトヘトに疲れて帰宅し、うっかりワックスをつけたまま寝るクセはありませんか?
「一晩くらい大丈夫かな?」と思ってそのまま寝てしまった経験がある方も多いでしょう。ですが、ワックスをつけたまま寝ることは髪や頭皮にとって決して良いことではありません。毛穴づまりによる頭皮トラブルや髪のダメージ、将来の抜け毛のリスクなどの悪影響が心配です。
この記事では、ワックスをつけたまま寝る習慣がもたらす影響と、もしも寝てしまったときの正しい対処法を美容師の視点からわかりやすく解説します。最後まで読むと、髪と頭皮を健やかに保つためのポイントがわかるはずです。
この記事でわかること
- ワックスをつけたまま寝るのがNGと言われる理由
- 髪や頭皮に起こりうる具体的なトラブル
- ワックスをつけたまま寝るとハゲるのか?薄毛になるリスクの真相
- もし寝てしまった時の正しい対処法とケアの手順
- 毎日ワックスを使う際の注意点とヘアケア習慣
ワックスをつけたまま寝ると起こる頭皮トラブル
「ワックスをつけたまま寝ると頭皮に悪い」とよく言われますが、その最大の理由は頭皮環境の悪化です。
ワックスは主成分の多くが油分でできており、髪につけたまま放置すると時間経過で酸化してしまいます。酸化した皮脂やワックスは雑菌のエサとなり、頭皮で細菌が繁殖しやすくなって不衛生な状態に…。
さらに寝ている間は頭皮から皮脂や汗がもっとも分泌される時間帯です。ワックスと大量の皮脂が混ざり合うことで毛穴に詰まりやすくなり、頭皮の通気性が悪くなってしまいます。
毛穴づまりと雑菌繁殖で頭皮環境が悪化する
ワックスと皮脂で毛穴が塞がると、頭皮は汗をかいても蒸れたままになり、雑菌がどんどん繁殖してしまいます。その結果、頭皮に炎症が起きてフケ・かゆみ・ニオイなどのトラブルを引き起こすことも…。
特に整髪料の油分を好む常在菌が増えすぎると、頭皮ニキビができたり、ひどい場合は炎症によって髪が抜ける原因にもなりかねません。
また、枕やシーツにもワックスと皮脂がべったり付着します。不衛生な寝具で繰り返し寝れば、そこからまた雑菌が頭皮や顔に移って肌荒れのリスクも高まります。
こうした頭皮環境の悪化が続くと健康な髪も育ちにくくなってしまうため注意が必要です。
美容師からのアドバイス
頭皮のコンディションが悪いと、抜け毛が増えたり髪が細く弱くなったりしやすいです。スタイリング剤を使った日は、必ずその日のうちにしっかり洗い落として頭皮を清潔に保ちましょう。
ここがポイント!
- ワックスは油分が主成分。つけたまま放置すると酸化して雑菌が繁殖しやすくなる
- 寝ている間は皮脂も大量に分泌され、ワックスと混ざって毛穴を詰まらせてしまう
- 毛穴づまりや細菌増殖によりフケ・かゆみ・炎症など頭皮トラブルの原因になる
- 枕や寝具も汚れて不衛生に。繰り返すと頭皮だけでなく顔の肌荒れリスクも高まる
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ワックスをつけたまま寝ると髪に与えるダメージ

ワックスをつけたまま寝ることで、頭皮だけでなく、髪の毛自体も以下のようなダメージを受けやすくなります。
① 寝返りによる摩擦でキューティクルが剥がれる
ワックスがついた髪は硬くなりがちで、寝返り時の摩擦によってキューティクルが傷つきやすくなります。その結果、ツヤがなくなりゴワついた質感に。
② 髪が絡まりやすくなり、切れ毛の原因に
ワックスで髪が束になると、絡まりやすくなります。朝のブラッシングで無理にとかすことで、髪が引っ張られ切れ毛が増えることもあります。
③ 髪の乾燥とパサつき
ワックスの油分が髪表面を覆う一方で、睡眠中の枕との摩擦で水分が奪われ、髪が乾燥しやすくなります。これがパサつきや枝毛の原因になります。
④ 寝ぐせがつきやすく、朝のセットが大変に
固まったワックスが寝ている間に形を固定してしまい、朝起きた時に強い寝ぐせがつく原因になります。整えるのに時間がかかり、髪を引っ張ることでさらに負担がかかる可能性も。
美容師からのアドバイス
寝る前にワックスを落とさないと、髪が乾燥しやすくダメージが蓄積していきます。翌朝のセットもしにくくなるので、夜のケアがとても大切です。
ここがポイント!
- ワックスで固まった髪は摩擦でキューティクルが剥がれやすい
- 絡まりやすく、朝のブラッシングで切れ毛が増える
- 枕との摩擦で水分が奪われ、パサつきや枝毛の原因に
- 寝ぐせが強くつき、朝のスタイリング時間が増える
ワックスをつけたまま寝るとハゲる?薄毛への影響
「ワックスをつけたまま寝ると将来ハゲる」という噂を耳にしたことがある方もいるかもしれません。
結論から言えば、ワックスそのものが直接薄毛の原因になることはほとんどありません。1~2回うっかり寝てしまった程度で急に髪がごっそり抜け落ちるようなことはないので、過度に心配しすぎる必要はないでしょう。
ただし、「直接の原因にならない=全く影響がない」という意味ではありません。先述の通り、ワックスを落とさずに寝る習慣は頭皮環境を悪化させます。頭皮の状態が慢性的に乱れると、結果的に髪の成長サイクルが乱れ、将来的に細く弱い髪しか生えてこなくなる可能性は否定できません。
薄毛の直接原因ではないが頭皮環境の悪化がリスクに
ワックスをつけたまま寝ること自体でAGA(男性型脱毛症)や円形脱毛症になるわけではありません。
しかし、油分や汚れで毛穴が詰まった状態が続くと髪の成長に必要な栄養や酸素が行き渡らず、ヘアサイクル(毛の生え変わる周期)が乱れてしまうことがあります。本来生えてくるはずの太く健康な髪が育ちにくくなり、抜け毛が増えたり髪が細くなったりする要因になり得るのです。
特にもともと脂性肌でベタつきやすい頭皮の方や、薄毛が気になり始めている方は要注意。ワックスの洗い残しや頭皮の不潔な状態が続くことは、将来的な薄毛リスクを高める習慣と言えます。
「ワックス=ハゲる」ではありませんが、「ワックスをつけっぱなしで寝る生活=薄毛につながる環境を自ら作っている」と考えて、やはり避けるのが賢明です。
美容師からのアドバイス
「1日くらいなら平気かな…」と思いがちですが、頭皮はデリケートなので油分や汚れが長時間残るのは厳禁です。将来も豊かな髪を維持するために、ワックスを使った日は習慣としてしっかりシャンプーし、頭皮コンディションを整えておきましょう。
ここがポイント!
- ワックスをつけたまま寝たからといって一晩でハゲるような直接的な原因にはならない
- しかし毛穴づまりや頭皮の炎症が慢性化すると髪の成長が阻害され、抜け毛・細毛が増える恐れあり
- 脂性肌や薄毛が気になる人ほどスタイリング剤の洗い残しに要注意
- 薄毛予防の基本は頭皮を清潔に保つこと。ワックス使用日は必ずその日のうちに洗髪を習慣づけよう
ワックスをつけたまま寝てしまった時の対処法

「疲れて寝落ちしてしまい、気づいたら朝までワックスをつけっぱなしだった!」
そんなときは、できるだけ早めに正しい方法で髪と頭皮をリセットしましょう。放置時間が長いほど頭皮や髪へのダメージが進んでしまうので、翌朝起きたらできる限り早く対処することが肝心です。
ここでは、ワックスをつけたまま寝てしまった場合の基本的なケア手順をご紹介します。
ステップ① ぬるま湯で髪と頭皮をしっかり予洗い
まずは38〜40℃程度のぬるま湯で髪全体を丁寧にすすぎ、ワックスを浮かせる準備をします。ここでの予洗いを丁寧に行うことで、シャンプーの泡立ちもよくなります。
ステップ② シャンプーを2回に分けて洗う
1回目のシャンプーで全体の汚れや整髪料をざっと落とし、2回目は指の腹を使って地肌をマッサージしながら洗いましょう。洗浄力のあるシャンプーや炭酸系もおすすめです。
ステップ③ 丁寧にすすぎ、泡をしっかり流す
シャンプーの泡や汚れが残らないよう、頭皮と髪の根元までしっかりすすぐことが大切です。ぬめりが完全になくなるまで、時間をかけて洗い流しましょう。
ステップ④ ドライヤーで根元からしっかり乾かす
濡れたままにしておくと雑菌が繁殖しやすくなるため、タオルドライの後はドライヤーで頭皮から完全に乾かします。地肌がサラッと乾くまでが目安です。
ステップ⑤ 枕カバーやシーツも取り換える
ワックスが付着した寝具を使い続けると再び汚れが頭皮に触れてしまいます。枕カバーやシーツは清潔なものに交換して、リセットしましょう。
美容師からのアドバイス
「寝ちゃった…」と後悔しても、朝にしっかりリセットすれば大丈夫。1つひとつのステップを丁寧に行えば、頭皮と髪のコンディションはきちんと戻ります。
ここがポイント!
- まずはぬるま湯でワックスを柔らかく浮かせる予洗いが重要
- シャンプーは2回。2回目は頭皮マッサージを意識して丁寧に
- 泡のすすぎ残しを避けて清潔を保つ
- ドライヤーで完全に乾かし、寝具も清潔な状態にリセットする
よくある質問
Q1. ワックスをつけたまま寝ても、たまになら大丈夫ですか?
一度きりでもおすすめはできません。たとえ1日だけでもワックスをつけたまま寝れば頭皮や髪に負担がかかります。
ただし一晩で急にハゲてしまうようなことはありませんので、過度に心配しすぎる必要はありません。大切なのは繰り返さないことです。「今回だけ」と油断せず、やはりワックスをつけた日は毎回きちんと洗髪してから寝るようにしましょう。
どうしても疲れてできなかった場合でも、翌朝なるべく早くシャンプーしてリカバリーを。頻度を重ねないよう注意してくださいね。
Q2. 夜に髪を洗わず、朝シャンプーする生活でも問題ないですか?
髪や頭皮の健康を考えると、スタイリング剤を付けた日は夜のうちに洗い落とすことが理想です。
朝シャンプー自体は悪いことではありませんが、ワックスを付けたまま寝てしまう時間があることが問題なのです。就寝中にワックスや皮脂が毛穴にたまって頭皮環境が悪化すると、短時間でもダメージが蓄積します。
特に夏場や皮脂分泌が多い方は、一晩で頭皮がベタベタになり雑菌も繁殖しやすくなります。「朝洗えばいい」と考えず、できるだけ夜のうちに洗髪してから眠る習慣をつけましょう。
Q3. 疲れて髪を洗えない日はどう対処すればいいですか?
体調や事情でどうしてもお風呂に入れない日もありますよね。その場合でも最低限のケアだけはしてから寝ることをおすすめします。
具体的には、ブラシでしっかり髪をとかしてワックスをできるだけ落とし、蒸しタオルやぬるま湯を含ませたタオルで髪と地肌を拭き取ってください。完全には落としきれませんが、何もしないよりはマシです。
また、枕には清潔なタオルを敷いて直接髪が触れないようにする工夫も有効です。そして翌朝、起きたらすぐにシャンプーで丁寧に洗い落としましょう。一晩洗えなかった分、時間をかけて頭皮までしっかりケアすればリスクは最小限に抑えられます。
まとめ
ワックスをつけたまま寝る習慣は、髪や頭皮にとってデメリットだらけです。
酸化した油分が毛穴を塞いで頭皮に炎症を起こし、フケやかゆみなどのトラブルだけでなく、摩擦による髪の傷みや将来的な抜け毛リスクにつながる恐れもあります。
ワックスをつけた日は必ず寝る前にきちんと洗い落とすことが基本ですが、どうしても落とせなかった場合でも、翌朝なるべく早く正しい方法でシャンプーすれば大丈夫。大切なのは不衛生な状態を長引かせないことです。
毎日の習慣を見直し、髪と頭皮をいつも清潔で健康的なコンディションに保ちましょう。


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