前髪は顔の印象を大きく左右する大切なパーツ。だからこそ「チリチリしてまとまらない」「いつの間にかビビリ毛になってしまった…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。特に前髪は毎日アイロンを当てたり、カラーや縮毛矯正の影響を受けやすいため、ダメージが集中してビビリ毛が出やすい部分です。
残念ながら一度ビビリ毛になってしまった髪を元通りにすることはできません。しかし、正しいケアや美容室での施術を取り入れることで、見た目や手触りを改善し、これ以上悪化させないことは可能です。この記事では自宅でできるケアと美容室で受けられるメニューを、美容師目線で詳しく解説していきます。
ビビリ毛とは?元の髪に直せる?
ビビリ毛とは、髪がチリチリ・ゴワゴワに硬く傷んでしまった状態を指します。
一度ビビリ毛になってしまうと、残念ながら自然に元の健康な髪に戻ることは不可能です。髪は主成分がタンパク質でできた死滅細胞なので、生卵を目玉焼きにしたら元に戻せないように、一度ダメージした部分は再生できません。
そのため「ビビリ毛ができたら切るのが最善」と言われるほどで、髪の長さが切れる範囲であればカットして対処することが推奨されます。
ビビリ毛が起きる原因(特に前髪に多い理由)
ビビリ毛は激しいダメージが蓄積して起こるので、原因はいくつもあります。縮毛矯正やデジタルパーマでは高温アイロンや強い薬剤を使うため髪に大きな負担がかかり、放置時間が長かったり薬剤が強すぎたりすると内部構造が壊れてビビリ毛になりやすくなります。
またヘアカラーや特にブリーチはキューティクルを開き髪内部のたんぱく質や水分が流出し、繰り返すと髪が弱くなってビビリ毛を引き起こします。
さらに、前髪はくせやうねりが特に目立ちやすい部分です。そのため多くの人が毎日ヘアアイロンでまっすぐにスタイリングしますが、前髪にだけ過度に熱ダメージがかかりビビリ毛になりやすいのです。
たとえば毎日のアイロンで同じ部分を繰り返し挟むと、髪内部のタンパク質が焼けてチリチリした手触りになります。ほかにも強い紫外線や摩擦など日常ダメージが蓄積すると、やがて前髪だけでなく全体の一部がビビリ毛になります。
自宅でできるビビリ毛のケア方法4つ
ビビリ毛になってしまった髪は完全に治せませんが、日々のケアで見た目を改善し、これ以上悪化させないことは可能です。以下のような方法で補修と予防を心がけましょう。
1.やさしいシャンプー&トリートメントを選ぶ
アミノ酸系で低刺激・高保湿のシャンプーがおすすめです。洗浄力が強いものは髪に余計な負担になるため、洗髪時は泡で包み込むように優しく洗って頭皮・髪をいたわりましょう。高保湿タイプのトリートメントやヘアマスクで、失われた栄養(ケラチン、セラミド、ヒアルロン酸など)を補給し、乾燥やパサつきを防ぎます。
2.集中補修ケアを取り入れる
週に1~2回、ヘアマスクや集中的な補修トリートメントを使いましょう。ケラチンやコラーゲンなどたんぱく質成分が配合されたもの、アルガンオイルやシアバターなど油分で髪をしっとり保護するものが効果的です。蒸しタオルで温めながらトリートメントを浸透させると、より修復効果が高まります。
3.アウトバス(洗い流さない)オイル・トリートメントで保護する
ドライヤーやブラッシングで生じる摩擦ダメージを防ぐため、洗髪後や乾かす前に髪にオイルやミルクトリートメントをつけましょう。髪表面をコーティングすることで水分の蒸発を防ぎ、まとまりやすくなります。ホホバオイルやアルガンオイルなどはツヤを与えつつ保護効果も高いのでおすすめです。
4.優しく乾かす・スタイリング
ドライヤーは低温・弱風で、髪をこすらずタオルドライしてから乾かしましょう。アイロンの使用はなるべく控え、乾かす前にオイルや洗い流さないトリートメントで保護してから行います。また、シルク製の枕カバーを使ったり、濡れた髪を長時間放置しないなど、摩擦や熱のダメージを減らす工夫も効果的です。
美容室でできる3つの対処法
自宅ケアで改善が難しい場合は、美容室でプロの施術を検討します。
1. 酸熱トリートメント
特に酸熱トリートメントはビビリ毛に効果が期待できる施術です。酸熱トリートメントは髪内部に働きかけて新しいケラチン結合をつくり、ダメージ部分を補修・強化します。複数回行うことで、ビビリ毛のガサつきやチリつきが抑えられる場合があります。
2. 髪質改善メニュー
ほかにも美容室では、髪質改善メニュー(ケラチントリートメントや特殊縮毛矯正など)でダメージを和らげる提案がされることがあります。ただし、どのメニューも完全修復ではなく、美容師の技術力によって結果が変わるため、経験豊富なサロンでよく相談しましょう。
3. 傷んだ部分をカット
重度の場合は、傷んだ部分をカットすることも対処法の一つです。ビビリ毛部分を取り除けば髪全体の扱いやすさは改善しますし、これ以上のダメージ蓄積を防げます。いずれにせよ、美容室で相談する際はビビリ毛になった経緯やダメージの程度をしっかり伝え、最適なメニューを提案してもらいましょう。
ビビリ毛で絶対やってはいけない2つのこと
1.無理な高温アイロン
ビビリ毛は髪の限界を超えた状態なので、間違ったお手入れはさらなる悪化を招きます。特に無理な高温アイロンは要注意です。前髪は日常的にアイロンを当てがちですが、熱によるダメージが進むだけで、ビビリ毛が悪化します。
美容院でケアをするまではできるだけアイロンの使用を控え、オイルやトリートメントで髪を整えるようにしましょう。
2.市販の強い脱色剤やセルフカラー
また、市販の強い脱色剤やセルフカラーもキューティクルをさらに傷める危険があります。もしカラーを行う場合はリタッチ(根元染め)や低刺激カラー剤を利用し、頻度を控えることが望ましいです。
ワックスやスプレーを多用すると落とすときに髪をこすりがちになるので、スタイリングもヘアオイルやトリートメントでできるだけ優しく行いましょう。
まとめ
ビビリ毛は「髪の体力の限界」が現れた状態で、もとには戻りません。そのため、発生してしまった部分はできるだけ切り、残った髪も毎日のケアで丁寧に扱う必要があります。
加齢や日常ダメージも蓄積するため、普段から高保湿のシャンプー・トリートメント選びや定期的な集中ケアでダメージ進行を防ぎ、必要なら美容師の専門的なメニューを取り入れましょう。
ビビリ毛は改善が難しい分、日頃の予防とケアがとても大切です。この記事を参考に、前髪も含めた髪全体を優しく労わりながら、美しい髪の維持に努めてください。
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