パーマに失敗したときの対処法は？正しいリカバリー術を美容師が解説

パーマが失敗するとどうなる？よくある失敗パターン

パーマをかけたのに仕上がりがイメージと違ったり、髪のコンディションが悪化したりすることがあります。まずはパーマ失敗で起こりがちなパターンを確認しましょう。

以下のような症状に心当たりはありませんか？

パーマ失敗パターン① カールがほとんど出ていない・取れてしまった

お金と時間をかけたのに、ほぼストレートのまま。これはパーマがうまくかからず失敗した典型例です。

パーマ失敗パターン② カールが強すぎてクリクリに

予定より細かく強いカールになり、髪全体が広がりすぎて扱いにくい状態です。いわゆるかかり過ぎで、ボリュームが出すぎてしまうケースです。

パーマ失敗パターン③ 髪がチリチリ・ゴワゴワに傷んだ

薬剤や熱の影響で髪のダメージが進み、指通りが悪くパサパサ・チリチリになってしまった状態です。最悪の場合、ゴムのように伸びて切れてしまうビビリ毛になることも…。

パーマ失敗パターン④ 左右や部分で仕上がりにムラがある

片側だけカールが強い・弱い、トップだけボリュームが出すぎなど、均一にかかっていないパターンです。鏡を見るたび気になりますよね。

パーマ失敗パターン⑤ 思っていたのと違うスタイルに

技術的にはパーマがかかっていても、自分のイメージと違えば失敗と感じるでしょう。ゆるふわ希望がソバージュ風になってしまうなど、完成像との差に落胆するケースです。

美容師からのアドバイス

パーマが失敗してしまっても、一人で悩み込まないでください。まずは「どんな状態になっているのか」を冷静に把握することが大切です。失敗の症状によって対処法も変わりますから、焦らず原因と状態を見極めましょう。

ここがポイント！

パーマの失敗例には「カールが弱すぎる／強すぎる」「髪がチリチリに傷む」など様々なケースがある
技術的に成功でも理想と仕上がりが違えば本人にとっては「失敗」と感じられる
まず自分の髪がどんな状態になっているか確認しよう。失敗パターンを知ればこの後の対処もしやすくなる

パーマが失敗する原因は？よくある３つの理由

なぜパーマが失敗してしまうのでしょうか。美容師の立場から見ると、パーマ失敗の原因には大きく分けて次のようなものがあります。

原因① 髪のダメージ・髪質の問題

髪そのもののコンディションが悪いとパーマはかかりにくく、失敗しやすくなります。

たとえばブリーチ毛や縮毛矯正毛は内部のタンパク質が少なくパーマがかかりづらい傾向があります。また、元々細く軟らかい髪質の方もパーマがかかりにくく、無理に施術するとチリチリになるリスクがあります。

原因② 薬剤選定や施術工程のミス

パーマ液の強さや放置時間、加熱温度などの判断ミスで失敗する場合があります。

本来その髪質に合った薬剤・時間配分が必要ですが、強すぎる薬剤を使ったり時間を置きすぎたりすると、髪が耐えられずに過剰反応してしまい、想定以上にかかり過ぎたり深刻なダメージを負ったりします。

逆に薬剤パワーが弱すぎると全くかからずストレートのまま…という結果にも。

原因③ カウンセリング不足・オーダーミス

お客様と美容師の間で仕上がりイメージの共有が不十分だと、「思っていたのと違う…」という残念な結果になりがちです。

実はパーマでは再現が難しい髪型をオーダーしていた場合や、美容師が「難しいかも」と思いつつも施術してしまった場合など、最初の段階でミスマッチが起きているケースもあります。

また、希望のスタイル自体は可能でも、お客様が自宅で再現するにはスタイリングが必要なことを知らず「スタイリングなしでこの感じにしたかったのに…」とギャップを感じることも原因の一つです。

美容師からのアドバイス

実はパーマの成否は髪のコンディションと美容師の見極め次第なんです。失敗を防ぐには、初めての美容師さんにも過去のカラー・矯正履歴などをきちんと伝え、仕上がりのイメージをしっかり相談しましょう。

ここがポイント！

ブリーチや縮毛矯正をしている髪、過度に傷んだ髪はパーマがかかりにくく失敗リスクが高い
薬剤の強さ・放置時間・加温温度など施術ミスにより「かかりすぎ」や髪のダメージが発生することも
オーダーしたスタイルがパーマでは再現困難だと、理想とのギャップで「失敗」と感じてしまう原因に
失敗を防ぐにはカウンセリングが重要！髪の履歴を正直に伝え、仕上がりイメージを美容師と共有しよう

パーマ失敗直後にまず取るべき対処法

「パーマが失敗かも…」と気づいたら、なるべく早めに適切な対処を始めることが大切です。ここではパーマ失敗直後にやるべきことと避けるべきNG行動を押さえておきましょう。

まず最初にすることリスト

やること① 担当した美容師に相談する

一番にすべきは、パーマを施術してくれた美容師（お店）に連絡することです。仕上がりに不満がある場合、多くの美容室は一定期間内のお直し対応を用意しています。遠慮せず「思ったようにならなかった」「◯◯のような状態になって困っている」と具体的に伝えましょう。

担当者はどんな薬剤を使ったか把握していますし、プロの目で今の髪の状態を確認してもらえます。場合によっては無料でかけ直しや修正をしてもらえることもありますので、まずは素直に相談するのが得策です。

もし同じ担当者に任せるのが不安であれば、お店にお願いしてベテランの美容師に替えてもらうのも一つの方法です。

やること② 自分で無理にパーマをやり直さない

「すぐにでも何とかしたい！」という焦る気持ちから、自分で市販の薬剤を使ってパーマをかけ直したり、逆にストレートパーマ剤で無理やり伸ばそうとしたりするのは絶対にNGです。

素人判断で追加の薬剤を使うと、髪はさらに傷んで取り返しがつかない状態になる恐れが高いです。また、失敗した髪に毎日ストレートアイロンを当てて伸ばすなどの行為もダメージを増幅させるだけなので避けましょう。

せっかくサロンで施術した髪ですから、ここはプロに任せるという判断が結果的に近道になります。

やること③ 髪を労わりつつ様子を見る

すぐ次の施術に踏み切る前に、まずは今の髪を優しく扱いながら過ごしましょう。シャンプーは刺激の弱いものを使い、ゴシゴシ洗いは避けてぬるま湯で優しく洗います。コンディショナーやヘアマスクでしっかり保湿し、粗めのコームで絡まりをほどく程度に留めましょう。

濡れた髪を激しくこすったり引っ張ったりしないことも大事です。スタイリングも、アイロンやドライヤーの高熱は極力避け、どうしても整えたい場合は低温設定でさっと形を整える程度にします。また、外出時はまとめ髪や帽子を活用して髪を保護しつつ見た目を整えるのも一時しのぎとして有効です。

ヘアアレンジでごまかす方法は根本解決にはなりませんが、短期間であれば髪への負担が少ない範囲で取り入れてみてください。

やらない方がいいNG例

NG例① 過度なシャンプーや摩擦

何度もシャンプーすればパーマが落ちるかも…とゴシゴシ洗うのは逆効果です。髪と頭皮を痛めるだけなのでやめましょう。

NG例② 強い力でのブローやアイロンで矯正

チリチリの髪に毎日アイロンを通すと、確かに一時的には伸びますが深刻なダメージが蓄積します。ブローで無理に伸ばそうと引っ張るのも同様です。

NG例③ 自己判断での薬剤使用

繰り返しになりますが、市販のストレート剤やパーマ剤を使って素人が処置するのは非常に危険です。プロでも難しい施術を、自宅で行うのは避けてください。

NG例④ すぐに別のサロンで再施術

今の髪への負担を考えると、飛び込みで他店に行って「直してください」と頼むのもリスクがあります。まずは施術したサロンに対応を仰ぎましょう。

美容師からのアドバイス

パーマに失敗したとき、焦って自己流の対処をしてしまうと事態が悪化しがちです。勇気を出して施術した美容師に相談すれば、プロの責任としてきっと解決策を提案してくれます。ご自身では髪に負担をかけないよう優しくケアしながら、次の一手をプロと一緒に考えましょう。

ここがポイント！

パーマが失敗したら遠慮せずまず担当美容師に連絡を！ 多くのサロンは一定期間内なら無料でお直し対応してくれる
自己判断での再パーマや強引なストレート施術はNG！ さらなるダメージで取り返しがつかなくなる恐れあり
チリチリ・ボサボサ髪に毎日アイロンを当てたり強くブラッシングするのも厳禁（髪が切れたり余計広がる原因に）
当面は低刺激ケアと保湿で髪を労わり、必要ならゆるくまとめる等で一時的にしのぎつつ髪の負担を減らす

パーマ失敗をリカバリーするための対処法５つ

では実際に、失敗してしまったパーマを綺麗にリカバリーするにはどんな方法があるでしょうか。

ここでは、髪の状態や失敗の程度に応じて考えられる修正方法の選択肢を紹介します。いずれにせよ高度な技術を要するため、信頼できる美容師に任せて施術してもらいましょう。

対処法① 再度パーマをかけ直す

パーマのかかりが弱すぎたり一部だけかかっていない場合など、髪がそれほど傷んでいないケースでは、もう一度パーマをやり直す選択肢があります。サロンによっては失敗時のかけ直しを無料で行ってくれるところもあります。

ただし注意点として、短期間に繰り返しパーマ液を使うことになるため、多少なりとも追加のダメージは避けられません。特に一度目の施術で髪がチリチリになってしまった場合、何度やり直してもうまくいかないどころか傷みが蓄積してもっと酷い状態になります。

一方、チリチリになっておらず単にかかりが弱かっただけなら、時間を少し空ければかけ直しが可能です。目安として1〜2週間程度は間隔をあけ、髪と頭皮を休ませてから再チャレンジしましょう。焦って翌日などにもう一度かけるのは禁物です。

再施術の際は最初の失敗を踏まえ、担当美容師とよく相談して薬剤やロッド選定を慎重に行ってもらってください。「今度こそ希望通りに仕上げる」という意気込みで取り組んでもらいましょう。

対処法② ストレートパーマでパーマを落とす

強くかかりすぎてしまったカールや広がりすぎた髪に対しては、ストレートパーマ（いわゆるパーマ落とし）でウェーブを伸ばす方法が有効です。「もうウェーブスタイルはあきらめて真っ直ぐに戻したい」という場合に選択されます。

ストレートパーマ剤を用いて髪の結合を再度組み直し、アイロンの熱でまっすぐ整える処置です。これによって見た目上はかなり綺麗なストレートヘアにリセットできます。

ただし、既にダメージを負ってチリチリ状態の髪にさらに薬剤と熱を加えるため、非常に高度な技術と髪の見極めが要求されます。腕の良い美容師が適切に行えばツヤとまとまりを取り戻せますが、万が一失敗するとさらに深刻なダメージとなり、取り返しがつかなくなるリスクも…。

メリットとしては、ストレートヘアの方が傷みが目立ちにくくお手入れもしやすい点が挙げられます。ボサボサのパーマヘアでいるより、まっすぐ整っていた方がご自身でも扱いやすいでしょう。とはいえ髪への負荷は大きい施術なので、お願いする場合は豊富な経験を持つ美容師に任せてください。

「この髪の状態ならストパーはやめておいた方がいい」と判断される場合もありますので、その際は無理をしないことが肝心です。

対処法③ ダメージ部分を思い切ってカットする

パーマの失敗で髪がボロボロに傷んでしまった場合、最も確実で手早い解決策は傷んだ部分をカットしてしまうことです。「髪を伸ばしていたのに…」という方には辛い選択肢かもしれませんが、チリチリでどうにもならない部分を残しておいても美しい状態には戻せません。

思い切って切り落としてしまえば、その瞬間に手触りも見た目も改善します。パーマのかかっている部分が毛先だけならトリミング程度で済むかもしれませんが、根元近くから強くかかっている場合やダメージが広範囲に及ぶ場合はショート〜ベリーショート級に短くしないといけない可能性もあります。

それでも、これ以上髪を傷ませないためには有効な手段です。美容師も「最終手段」として提案することがありますが、早期解決という観点では最も確実と言えるでしょう。どうしても長さを切りたくない場合は次善の策を考えることになりますが、髪の健康を最優先にするならカットも視野に入れてみてください。

対処法④ トリートメントで補修・髪質改善を図る

もう一つのアプローチとして、サロンでの集中的なトリートメントや髪質改善メニューを受ける方法があります。最近流行りの酸熱トリートメントなどは、ダメージでスカスカになった髪に一時的にハリコシを与えたり、うねりを落ち着かせたりする効果が期待できます。

ただし、トリートメントはあくまで髪の表面をコーティングしたり内部に栄養を入れて「扱いやすく見せる」対処療法です。折れた骨に対するギプスのようなもので、チリチリになった髪そのものを元通りによみがえらせることはできません。

一時的には手触りが良くなりツヤも出ますが、数日〜数週間で効果が落ちて元に戻ってしまうケースも多いです。そのため「根本解決」にはなりませんが、「次の施術までのつなぎ」として髪を少しでも落ち着かせる目的で利用するのはありでしょう。

プロの美容師に相談すれば、髪質やダメージレベルに合ったトリートメントを提案してくれます。繰り返しになりますが、トリートメントだけでパーマ失敗前の状態に完全に戻すことは難しいため、あくまで補助的なケアと考えてください。

対処法⑤ パーマが落ちるのを待つ（軽度の失敗の場合）

最後に、失敗の程度が軽い場合の選択肢として時間が解決するのを待つ方法もあります。パーマは時間とともに徐々に落ち着いてくるものです。例えば「少しカールが強すぎるかな」程度であれば、毎日のシャンプーや重めのトリートメントを使うことで1〜2週間もすればだいぶ緩まることもあります。

髪への負担を最小限にしたいなら、しばらく我慢して様子を見るのも一つの手です。ただし、この方法は現在の髪の状態が人前に出られないほどひどくない場合に限られるでしょう。

外に出るのも嫌になるレベルであれば、やはり上記のようなプロによる修正を検討してください。また、待っている間も髪の保湿ケアだけは怠らずに行いましょう。

美容師からのアドバイス

失敗したパーマを直す方法はいくつかありますが、髪のダメージ具合に合った手段を選ぶことが大切です。無理に希望を通そうとせず、信頼できる美容師と相談しながらベストな解決策を見つけましょう。

ここがポイント！

パーマのかけ直しは、髪のダメージが軽微で「かかりが弱い」場合に有効。再度薬剤を使うため1〜2週間空けるなど慎重に判断を
強くかかり過ぎた場合はストレートパーマでパーマ落としする選択肢も。ただし髪への負担大のため、プロの適切な判断と高い技術が必要
ダメージが酷いときはカットで失敗部分を除去するのが最も確実な解決策。短くなる覚悟が必要だが、早期に綺麗な状態を取り戻せる
トリートメントや髪質改善メニューは髪を扱いやすく整える補助にはなるが、根本的な解決にはならない（あくまで一時的なケアとして活用）

パーマが失敗したときの対処法に関するFAQ

Q1. パーマが失敗したら、美容院で無料でやり直してもらえる？

多くの美容院では、仕上がりに納得できなかった場合に備えてお直し期間（施術後◯週間以内など）を設けています。この期間内であれば無料でかけ直しや修正をしてもらえるケースが一般的です。

ただし、美容院ごとに方針は異なり、状態によっては別の方法（トリートメント対応など）を提案されることもあります。

まずは施術を受けたサロンに早めに連絡し、保証内容や対応策を確認しましょう。遠慮は無用です。納得いくまで相談してみてください。

Q2. パーマが強くかかりすぎてチリチリ！少しでも落ち着かせる方法はある？

チリチリに強くかかりすぎた髪を自宅で劇的に改善するのは難しいですが、一時的に落ち着かせる方法はいくつかあります。

まず、重ためのトリートメントやヘアオイルを使って髪にしっかり潤いを与えると、広がりが多少収まり手触りも改善します。シャンプー前のオイルパックや、お風呂での集中トリートメントも効果的です。

また、自然乾燥より低温のドライヤーでブラシブローした方が表面は整います。ただし毎日アイロンで伸ばすのはダメージが蓄積するので避けてください。根本的な解決にはプロの施術が必要ですが、上記の方法で「多少マシな状態」に整えることは可能です。

Q3. パーマの失敗で髪がひどく傷んでしまった。元の健康な状態に戻せる？

残念ながら、一度チリチリやスカスカに傷んでしまった髪を完全に元通りの健康な毛に戻すことはできません。髪は死んだ細胞でできており、自己修復する力がないからです。

ただし、適切なケアで現状より悪化させないことはできます。毎日のホームケアでは、低刺激のシャンプーと濃厚トリートメントでしっかり保湿し、熱や摩擦から髪を守りましょう。定期的に美容院でトリートメントケアを受けるのも有効です。

まとめ

パーマが失敗してしまったときはショックですが、正しい対処法を知っていれば必要以上に落ち込まずに済みます。

まず大切なのは焦らずプロに相談することです。担当した美容師に現状を伝えれば、きっと責任を持って対策を考えてくれるでしょう。同時に、自分で無理に何とかしようとして髪をいじめないことも肝心です。

髪の状態に応じて、再度のパーマ施術やストレートパーマ、思い切ったカットなどいくつかの修正方法が考えられます。どの方法がベストかは髪質やダメージ具合によりますので、信頼できる美容師とよく相談して決めてください。

適切な対処をすれば、失敗した髪でも必ず今より良い状態に近づけることができます。時間はかかるかもしれませんが、プロの力を借りながら根気強くケアしていきましょう。

この記事からわかる5つのポイント

パーマの失敗には「かかりすぎ・かからない・チリチリ」などのパターンがある
失敗の原因は髪のダメージ、薬剤や技術ミス、カウンセリング不足など
失敗したら自己処理せず、まずは担当美容師に相談することが大切
対処法はかけ直し、ストレートパーマ、カット、トリートメントなど状況に応じて選べる
髪の状態に合った適切な対処法を選べば、改善できる。プロの助言を仰ぎながらベストな方法で乗り切ろう