パーマ液の1剤だけでパーマをかけたらどうなるのか、疑問に感じていませんか?「2剤を使わずに済ませれば髪が傷まないのでは?」と考える方もいるかもしれません。
しかし結論から言うと、パーマ液1剤だけでパーマを完了させるのはおすすめできません。カールがうまく定着しないばかりか、髪に深刻なダメージを与えてしまう恐れがあるためです。
この記事では、パーマ液の1剤だけではNGな理由を美容師がわかりやすく解説し、正しいパーマの工程やダメージを抑えるポイントも紹介します。
この記事でわかること
- パーマ液1剤と2剤それぞれの役割と違い
- 1剤だけでパーマをかけた場合に起こる髪への影響
- パーマ2剤を省略することの危険性
- 一浴式パーマなど1剤のみで行う方法はあるのか
- 髪を傷めないための正しいパーマのかけ方
パーマ液1剤だけでもパーマはかかる?
パーマをかける際、1剤(第一剤)と2剤(第二剤)の2段階の薬剤処理が必要です。1剤だけでパーマを完了させてしまうと、髪にカールやストレートの形をつけたつもりでも形が定着せずにすぐ戻ってしまいます。
たとえばロッドで巻いてウェーブをつけても、数日以内に元の状態に戻ってしまい、パーマがかかったとは言えない結果になるでしょう。
カールが定着せず、髪へのダメージも大きい
パーマ液1剤だけでは髪内部の結合を切断しただけで終わってしまい、新しい形を固定する工程がないため髪が非常に不安定な状態になります。そのままでは髪は柔らかく脆くなっており、弾力のないフニャフニャの質感になりかねません。
さらに、1剤で生じた余分な成分が髪に残留することでダメージや独特のニオイの原因にもなってしまいます。最悪の場合、髪がチリチリのビビリ毛状態になったり、切れ毛が増えてしまう恐れもあります。
美容師からのアドバイス
パーマは必ず1剤と2剤のセットで行いましょう。1剤のみで済ませると髪の形が定着せず、深刻なダメージに繋がります。もしセルフでパーマをかける場合でも、説明書通りに2剤まできちんと使って施術することが大切です。
ここがポイント!
- 1剤だけではパーマの形が固定されない
- カールがすぐ取れて元の髪型に戻ってしまう
- 髪に薬剤が残留して傷みやニオイの原因に
- 1剤だけの施術は髪がチリチリになるリスクも
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そもそもパーマ液1剤の役割とは?

パーマ液の1剤は「還元剤」と呼ばれる薬剤で、髪の内部構造に働きかける役割があります。
具体的には、髪内部のタンパク質同士の結合(シスチン結合)を切断し、髪を軟らかくして自由に形を変えられる状態にするのが1剤の役目です。この工程によって髪はロッドやアイロンで巻いた形状に沿って変形し、ウェーブやストレートの下地が作られます。
パーマ液1剤は強力!扱い次第で髪に負担も
1剤の主成分にはチオグリコール酸やシステインなどが使われ、これらは髪を柔らかくする力が強い反面、使い方を誤ると髪に大きな負担をかける成分です。特にチオ系と呼ばれる薬剤はパワーが強く、しっかりカールを出せますが、その分ダメージも大きくなりやすい傾向があります。
したがって、1剤を塗布した後は適切な時間で確実に洗い流し、髪に薬剤が残らないようにすることが重要になります。
美容師からのアドバイス
1剤は髪の結合を切る強い薬剤なので、使用量や放置時間を守りましょう。セルフパーマの場合、必ず説明書をよく読み、指定の時間以上放置しないことが大切です。また、1剤塗布後は髪を十分に洗い流し、次の2剤工程に備えてください。
ここがポイント!
- 1剤は還元剤で髪内部の結合を切断する
- 髪を柔らかくし形を変えやすくする働き
- チオ系薬剤は強力だがダメージも大きい
- 1剤使用後は必ず洗い流して次の工程へ
パーマ液2剤の役割と省略すると起こる4つのリスク
パーマ液の2剤は「酸化剤」と呼ばれ、1剤で切断された髪の結合を再び結びつけて新しい形を固定するための薬剤です。代表的な成分は過酸化水素(水)やブロム酸(臭素酸ナトリウム)で、髪を酸化させて安定させる働きがあります。
2剤をしっかり作用させることで、ウェーブやストレートの形が長持ちし、パーマの仕上がりがキープできます。
2剤を省略するとどうなる?
パーマ液2剤の工程を省略したり不十分なまま終えてしまうと、次のようなリスクがあります。
- 形が定着せずパーマがすぐに取れる
せっかく形づけた髪が元に戻りやすくなり、パーマのかかりが甘くなってすぐに取れてしまいます。 - 髪内部に薬剤が残留する
1剤の成分が髪に残ったままだと髪への負担が蓄積。酸化が不十分になり、後々のダメージにつながります。 - パサつき・ごわつき・悪臭の原因になる
残留成分が酸化しきれず、ニオイや手触りの悪化を招く場合があります。 - 髪の健康を長期的に損なう
2剤は残留アルカリを中和し髪を安定させる役割もあるため、飛ばすことで髪のpHバランスが崩れ、将来的なダメージリスクも高まります。
このように、2剤の工程を飛ばすことは髪の健康にとっても大きなマイナスになるのです。
美容師からのアドバイス
パーマ液の2剤はパーマの定着に欠かせない重要な工程です。1剤処理後は髪をよく洗い、2剤をムラなく行き渡らせて規定時間置きましょう。特にセルフの場合、「まあいいか」と省略せず、必ず付属の2剤を使用してください。しっかり酸化固定することでパーマの持ちと髪のコンディションが格段に良くなります。
ここがポイント!
- 2剤は酸化剤でカールやストレートを固定する
- 切断された結合を再結合させ髪を元の強度に戻す
- 2剤を使わないとパーマはすぐ取れてしまう
- 2剤を省略すると髪にダメージや悪臭が残る原因に
パーマ液1剤だけでOK?「一浴式パーマ」とは

通常のパーマ(コールドパーマや縮毛矯正)は「二浴式」と言い、ここまで1剤と2剤を順番に使うのが基本ということをお伝えしてきました。
しかし一方で、施術法の中には1剤のみで施術を完了させる「一浴式パーマ」と呼ばれるものも存在します。
一浴式パーマでは中間処理としての2剤を使用せず、1剤だけでカールをつけていきます。そのため髪への負担が少なくダメージ毛にも適した方法ですが、ウェーブの強さや持続力は二浴式に比べるとやや劣る傾向があります。
ダメージが気になる場合は相談を
髪のコンディションによっては、一浴式パーマのような優しい施術を検討する価値があります。
ただし、一浴式パーマは扱っていない美容室もあり、仕上がりも通常のパーマとは異なるため、興味がある場合は事前に美容師に相談してみると良いでしょう。セルフで行う市販のパーマ剤は基本的に二浴式なので、ダメージを減らしたいからといって2剤を勝手に省くのは厳禁です。
美容師からのアドバイス
髪のダメージが気になる方は、美容室で一浴式パーマや低ダメージタイプの薬剤を提案してもらうのも一つの手です。ただし自分でパーマをかける際は、自己判断で工程を省略せず必ず2剤まで使い切りましょう。大切な髪を守るために、無理をせずプロに相談することも検討してくださいね。
ここがポイント!
- 一浴式パーマは1剤だけで施術が完結する方法
- 髪への負担が少なくダメージヘアにも向いている
- ただしカールの強さや持ちは二浴式より弱くなる
- セルフのパーマ施術は工程を省かないことが重要
パーマ液1剤と2剤に関するFAQ
Q1. パーマ2剤が手元にないとき、ヘアカラーの2剤で代用してもいいですか?
市販のヘアカラー用2剤(オキシ)も過酸化水素が主成分で、一見パーマ2液の代わりになりそうですがおすすめできません。カラー剤の2剤は濃度が高く、パーマ用とは処方も異なるため、勝手に代用すると髪に負担をかけたり仕上がりにムラが出る恐れがあります。
どうしても2剤がない場合でも、自己判断で他の薬剤を使わず、美容室に相談しましょう。
Q2. パーマ液の1剤と2剤を混ぜて同時に使うことはできますか?
いいえ、1剤と2剤は絶対に混ぜて同時に使用しないでください。混ぜてしまうとお互いの薬剤が反応しあって十分な効果を発揮できず、最悪の場合は薬剤が過剰反応して髪がチリチリに傷んでしまう可能性があります。
パーマは必ず1剤→中間水洗→2剤という順番で行いましょう。
Q3. パーマ液1剤だけで髪がチリチリになってしまった場合、どうすればいいですか?
1剤だけで髪を処理した結果、髪がチリチリのビビリ毛状態になってしまった場合、残念ながら元の健康な状態に戻すことは非常に困難です。
まずはこれ以上ダメージを進行させないよう、優しくシャンプーしてトリートメントでしっかり保湿してください。自宅でのケアだけでは改善が難しいため、できれば美容師に相談し、必要に応じて集中的なサロントリートメントやカットで対処することをおすすめします。
まとめ
パーマ液1剤だけでパーマをかけるのは形が定着しない上に髪を傷めてしまうため、必ず2剤まで正しく使う必要があります。パーマ液の1剤と2剤は、それぞれ髪を形づくる役割と形を固定する役割を担う、パーマ施術に欠かせない薬剤だからです。
どうしても髪への負担が気になる場合は、美容師と相談して「一浴式パーマ」などダメージの少ない方法を検討すると良いでしょう。
大切な髪を守るためにも、正しい知識に基づいた施術で、理想のスタイルを安全に手に入れてくださいね。


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