パーマには1剤と2剤が必要だと聞いたけれど、「パーマ2液を他のもので代用できないかな?」と悩んでいませんか?
たとえば、市販のパーマ液の2剤をうっかり切らしてしまった場合や、美容室でパーマとカラーを同時にしたい場合など、2液の代用品があれば便利ですよね。
この記事では、美容師の立場からパーマ2液の役割と重要性、他の薬剤で代用できるかどうか、さらに代用した場合のメリット・デメリットや注意点を解説します。
正しい知識を身につけて、髪を傷めずにきれいにパーマをかけましょう。
この記事でわかること
- パーマ液1剤と2剤の基本的な役割
- パーマ2液を他の薬剤で代用することは可能か
- カラー剤の2剤(オキシ)を2液代わりに使うリスク
- 誤った代用の影響と髪へのダメージ
パーマ液1液と2液の役割と違い

パーマの施術では通常、1液(第1剤)と2液(第2剤)の二つの薬剤を使用します。それぞれの役割は簡単に言うと「髪の結合を切る薬」と「切れた結合を再びくっつける薬」です。
まず1液で髪内部のタンパク質同士の結合を切断し、柔らかくして形を変えやすい状態にします。続いて、2液で切断した結合を再結合させ、髪を新しい形(カールやウェーブ)に固定します。
この2液は「固定剤」や「中和剤」と呼ばれることもあり、臭素酸ナトリウム(ブロム酸)や過酸化水素水などの酸化剤が主成分です。パーマの仕上がりを長持ちさせるために、2液による酸化処理は欠かせない工程なのです。
2液をしっかり使わないとどうなる?
もしパーマ2液による処理を不十分に行うと、せっかく形作ったウェーブがしっかり定着しません。パーマのかかりが甘くなったり、数日で取れてしまったりする原因になります。
また、髪内部に余分な成分が残留してしまい、ダメージや独特のニオイの原因にもなってしまいます。そのため、美容師はパーマの際に2液を丁寧に行き渡らせ、規定の時間きちんと作用させることを徹底しています。
美容師からのアドバイス
パーマの1液と2液にはそれぞれ重要な役割があります。特に2液はパーマのかかり具合と髪の健康に直結するため、省略せず正しく使うことが大切です。
ここがポイント!
- パーマ2液はカールを固定するための薬剤
- 酸化剤で髪を元の硬さに戻す
- パーマ2液を使わないと、パーマがすぐ取れる
- パーマ2液を使わないと、臭いやダメージの原因にもなる
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パーマ2液は他のもので代用できる?

結論から言えば、パーマ2液をまったく別のもので代用することは基本的にはおすすめできません。ただ、一部の成分が共通する別製品で代用するケースは存在します。
パーマ2液の主成分である酸化剤は、ヘアカラーの2剤(いわゆるオキシ、過酸化水素)にも含まれています。そのため、理論上はパーマ2液の代わりにヘアカラー用の2剤や過酸化水素水を使って髪の結合を固定させることも可能です。
美容室によってはパーマの2液が切れてしまった際に他のメーカーの同種の2液で代用したり、縮毛矯正やデジタルパーマの施術でカラー剤の2剤を応用して同時に固定と染色を行う例もあります。
別の薬剤で代用する際に注意すべきこと
しかし、パーマ2液を別の商品で代用する場合にはいくつか注意点があります。
まず、酸化剤の濃度が製品によって異なる点です。例えば、一般的なヘアカラーの2剤は過酸化水素が約6%と高濃度ですが、パーマや縮毛矯正用の2液では1〜2%程度の過酸化水素や臭素酸塩が使われることがあります。
また、ヘアカラーの2剤には染料の1剤と混ぜて使うことが前提の処方がされており、単独で使う場合やパーマ後に使う場合には髪への影響が変わる可能性があります。
安易な代用は想定外のダメージや仕上がりのムラを招くリスクがあるため、十分な知識と経験がない場合は避けるべきでしょう。
美容師からのアドバイス
パーマ2液とカラー2剤は主成分こそ似ていますが、濃度や用途が異なるため素人判断での代用は危険です。どうしても2液が手元にない場合は、美容師に相談するか適切な製品を入手するようにしましょう。
ここがポイント!
- パーマ2液の主成分である酸化剤はヘアカラーの2剤(オキシ)にも含まれており、理論上は代用可能
- 酸化剤の濃度が異なる
- 自己判断での代用は危険
- 専用の2液を使うのが安心
カラー剤でパーマ2液を代用するメリット・デメリット
前述のように、縮毛矯正やデジタルパーマの現場では、パーマ2液の代わりにヘアカラーの2剤を使ってストレートの固定とカラーを同時に行う方法が一部で存在します。
カラー剤でパーマ2液を代用する方法には、次のような利便性とリスクの両面があります。
メリット
パーマ2液をカラー剤で代用する最大のメリットは、施術時間の短縮です。
本来であればパーマ(または縮毛矯正)の2液処理・放置・洗い流しと、その後にカラー塗布・発色・洗い流しという二工程が必要ですが、2液の代用としてカラー剤を使えばシャンプー台での移動や処理を一度にまとめることができます。
その結果、30分近く施術時間を短縮できる場合もあり、時間効率の面でメリットがあります。
【パーマ2液を代用するメリット】
- パーマとカラーを同時に行えるため、施術時間が短縮できる
- シャンプー回数や薬剤使用量が減り、効率的に施術できる
- 美容室では一部のケースで応用されることもある
デメリット
一方、パーマ2液の代用はデメリットやリスクも大きいです。
まず、ヘアカラー用の2剤(過酸化水素6%程度)は通常のパーマ2液(1〜2%程度)に比べて濃度が高く、髪への刺激も強くなります。さらに、パーマや縮毛矯正の直後の髪は軟化・膨潤して非常にデリケートな状態です。
そこにアルカリ性のカラー剤(1剤と2剤の混合液)を塗布することは、髪に大きな負担をかける行為と言えます。
【パーマ2液を代用するデメリット】
- カラー剤の2剤は濃度が高く、髪への刺激が強い
- 軟化直後の髪に使うと大きなダメージリスクがある
- 仕上がりにムラが出ることがあり、安定しない
- 素人判断での使用はトラブルの原因になる
このように、髪質や施術方法によっては代用しても問題なく仕上がる場合もありますが、常に安定した結果が得られるとは限りません。プロの美容師でも髪のコンディションを見極めつつ慎重な対応が求められる方法であり、リスクを伴うため積極的には推奨されない手法です。
なお、一般の方が「一度でパーマとカラーを済ませたい」と考えてカラー剤で代用するのは非常に危険です。髪が著しく傷んだり思ったようにパーマもカラーも仕上がらない可能性が高いため、必ず別々に安全に施術するようにしましょう。
美容師からのアドバイス
美容室によっては特殊なケースでカラー剤を2液代わりに使うこともありますが、それは髪の状態を見極めた上で行うプロの判断です。時間短縮よりも髪の健康を優先し、基本的にはパーマとカラーは別々に施術することをおすすめします。
ここがポイント!
- カラー剤併用で施術時間は短縮できる
- 髪への刺激が強くダメージリスクが高い
- 安定した仕上がりにならないこともある
- プロでも慎重な判断が必要な方法であり、一般の人が安易に真似するのは避けるべき
パーマ2液を省略したり間違えて代用したらどうなる?

パーマの2液処理を省略したり、誤った方法で代用した場合、理想通りの仕上がりにはなりません。
2液をつけなければ、髪内部の結合は再形成されないままなので、パーマはほとんどかからずに終わってしまいます。たとえ一時的にカールがついても、定着していないため数日で取れてしまうでしょう。
また、不十分な酸化処理しか行われないと、髪の中に還元剤の成分が残留し、独特のパーマ臭が抜けない原因にもなります。その状態で放置すると、髪のダメージも進行しかねません。
よくある誤った代用方法
誤った代用として、例えば2液の代わりにお酢などの酸性リンスで中和しようとする人もいます。
しかし、酸リンスはあくまで髪のpHを整えてキューティクルを引き締める効果にとどまり、切断された結合を再結合させる作用はありません。
単にアルカリを中和するだけではパーマを固定することはできないのです。パーマを安全に長持ちさせるためには、市販品や家庭の手持ちのもので済まそうとせず、必ず専用の2液でしっかり酸化固定することが重要です。
美容師からのアドバイス
パーマ2液は仕上がりと髪の健康を左右する重要なステップです。万一手元に2液がない場合は無理に代用せず、施術を中断してでも適切な薬剤を用意してから再開するようにしましょう。
ここがポイント!
- 2液なしではパーマが定着しない
- 薬剤が残って臭いやダメージにつながる
- お酢や酸リンスは代用にならない
- 必ず専用の2液を使用すること
パーマ2液の代用についてよくある質問
Q1. パーマ2液をカラーのオキシで代用しても大丈夫ですか?
化学的には可能でも、おすすめはできません。パーマ2液とカラー2剤は同じ過酸化水素系でも濃度などが異なるため、髪に大きな負担がかかります。
プロの判断なしにカラー剤で代用するのは避けましょう。
Q2. パーマ2液を使わないとどうなりますか?
髪の内部結合が再結合されないため、パーマはほとんどかからず、かかってもすぐ取れてしまいます。また、髪に薬剤が残ってダメージや臭いの原因にもなります。
Q3. パーマ2液だけ市販で買えますか?
美容室専売のパーマ2液が美容材料店やネット通販で単品販売されていることもあります。ただし扱いが難しいため、個人での使用には注意が必要です。
基本的にはセットの市販パーマ剤を使うか、美容院で施術してもらうことをおすすめします。
まとめ
パーマ2液はパーマの仕上がりと髪の健康に欠かせない重要な役割を担っています。
化学的に共通成分があるためカラー剤の2剤等で代用できる場合もありますが、それは専門知識を持つプロの判断で行われる特殊なケースです。
一般の方が安易にパーマ2液を他のもので代用することはおすすめできません。パーマを長持ちさせ髪を守るためにも、必ず専用の2液を使用し、正しい方法でしっかりと固定することが大切です。


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