ロングリタッチ(長期間伸びた根元のリタッチ)は、伸びた部分を染めるだけなのに「いつもムラになる」「切れ毛が怖い」「どうすればきれいにつなげられるの?」と悩んでいませんか?
この記事では、ロングリタッチがなぜ難しいのかを美容師がわかりやすく解説し、失敗を防ぐためのポイントやケア方法をご紹介します。
この記事でわかること
- ロングリタッチの意味と通常リタッチとの違い
- なぜロングリタッチが難しいのか
- 施術を成功させるプロの工夫
- 適切なリタッチ周期と予防法
- リタッチ後のケアと注意点
この記事がおすすめの人
- 根元と毛先の色の差が気になる方
- ハイトーンやブリーチを続けている方
- ロングリタッチの失敗を防ぎたい方
- 定期的にサロンへ通えない方
- ダメージを抑えてカラーを楽しみたい方
ロングリタッチとは?
リタッチとは、新しく生えた根元の部分だけを既に染まっている部分(既染部)に合わせて染める技術で、美容師がカラーを学ぶ時に最初に習う基本です。しかし、基本だからといって簡単なわけではありません。
新生部は健康な黒髪なのでパワーのある薬剤でしっかり明るくする必要があり、既染部はダメージが蓄積しているため強い薬剤が付着すると切れ毛や色ムラの原因になります。
特に2cm以上伸びた部分をブリーチで明るくするロングリタッチは難易度が高く、わずかなズレが断毛や色の段差に直結します。理想的なリタッチ周期は1.5〜2ヶ月とされ、伸び過ぎる前にメンテナンスすることが重要です。
美容師からのアドバイス
ロングリタッチは「根元だけ染めればいい」と軽視されがちですが、実は高度な見極めと塗布技術が必要な施術です。伸ばしすぎないように定期的にサロンに通い、担当美容師と相談しながら髪の状態を整えていきましょう。
ここがポイント!
- リタッチは根元のみを既染部に合わせる技術
- 新生部と既染部で薬剤の強さが異なる
- ロングリタッチは2cm以上伸びた状態
- 理想的な周期は1.5〜2ヶ月
ロングリタッチが難しい4つの理由
ロングリタッチが難しい最大の理由は、塗り分けの精度にあります。
新生部にはパワーのある薬剤をしっかり塗布しつつ、既染部には絶対に付けないという矛盾した作業が求められるため、職人技が必要になります。
ここでは、特にロングリタッチが難しい理由を4つに分けて解説します。
理由① 境界線の塗り分けが難しい
新生部(伸びた根元)は黒髪で健康なため、強めの薬剤が必要です。一方で、既染部(以前に染めた部分)はダメージが蓄積しており、強い薬剤が触れると切れ毛や断毛を引き起こします。
この「強い薬剤を使いながら、既染部には絶対付けない」という相反する作業が必要なため、ほんの数ミリでも境界線をはみ出すとムラや色落ちの原因になります。
理由② 頭の丸みや髪の生え方によるズレ
人間の頭は立体的で、丸みや高さに差があります。そのため、髪を持ち上げたり下ろしたりして塗布する過程で微妙なズレが生じ、薬剤が不要な部分に付きやすくなります。
特に後頭部は自分では見えないため、セルフカラーでは境界線を見失いやすく危険です。
理由③ 塗布幅と薬剤量のコントロール
塗布する幅が1cmを超えると、過去に染めた部分へ薬剤が重なり、オーバーラップによるダメージが進行します。さらに、髪の太さや毛量に合わせて薬剤量を微調整する必要があり、プロでも難易度の高い作業です。
理由④ 伸び過ぎによる段差のリスク
リタッチ周期が空きすぎて2cm以上伸びると、根元と既染部の差が大きくなり、境界部分が染まりにくくなります。無理にリタッチを行うと、段差が目立つ「バンドカラー」と呼ばれる失敗につながることもあります。
美容師からのアドバイス
ロングリタッチは、ミリ単位の世界で調整が必要な非常に繊細な技術です。特にセルフカラーは境界線を見失いやすく、切れ毛や色ムラの原因になりやすいのでご注意を。経験豊富な美容師に任せることをおすすめします。
ここがポイント!
- 境界線を数ミリ越えるだけで色ムラになる
- 頭の丸みや高さの違いでズレが生じやすい
- 1cm以内の塗布幅を守る必要がある
- 薬剤選定と塗布量のコントロールが職人技
ロングリタッチを成功させる4つのコツ
ロングリタッチは難易度が高い施術ですが、美容師が行ういくつかの工夫で仕上がりが大きく変わります。ここでは、特に効果的な4つのポイントを紹介します。
① 極薄スライスで髪を取る
髪を1枚1枚極薄にスライスして塗布することで、根元と既染部の境界線が見やすくなり、薬剤が不要な部分に付着するリスクを減らせます。このひと手間が、仕上がりのムラや切れ毛を防ぐ鍵です。
② アルミホイルやコットンで保護
塗布した部分とまだ塗っていない部分が触れ合わないように、アルミホイルやコットンを挟み込みます。これにより、薬剤がズレて隣接部分に広がるのを防ぎ、境界線をクリアに保てます。
③ 「上げて塗り、下ろして確認」
施術中はまず毛束を持ち上げながら塗布し、薬剤が垂れるのを防ぎます。その後、塗り終えたら毛束を下ろして全体を確認し、塗り残しやはみ出しがないかを細かくチェック。二段階で確認することで、ムラを徹底的に防げます。
④ 状況に応じて全体カラーを選ぶ
根元が3cm以上伸びていたり、過去のカラーとの段差が大きい場合は、無理にロングリタッチをせず全体カラーで均一に染める方がきれいに仕上がることもあります。髪の状態に合わせて、最適な方法を美容師と相談しましょう。
美容師からのアドバイス
ロングリタッチは時間がかかる施術ですが、毛束を薄く取り、フォイルやコットンを使って丁寧に塗布することで仕上がりが大きく変わります。施術中はスタイリストに遠慮せず、不安なことは質問してくださいね。
ここがポイント!
- 髪は極薄スライスで丁寧に取る
- アルミホイルやコットンで薬剤ズレを防止
- 上げて塗り、下ろしてチェックする
- 状態によっては全体カラーを選択する勇気も必要
- セルフでのロングリタッチはリスクが高い
ロングリタッチ後のケアと予防策
ロングリタッチ後の髪は非常にデリケートで、適切なケアを怠るとダメージや色落ちにつながります。また、次回以降のリタッチが難しくならないように予防策を取ることも大切です。ここでは、ケアと予防策を4つのポイントに分けて解説します。
① 施術後のシャンプーは翌日以降に
施術直後の髪は薬剤が安定しておらず、シャンプーをすると色が流れやすくなります。そのため、当日の夜はお湯ですすぐ程度にとどめ、シャンプーは翌日以降に行いましょう。洗う際はぬるま湯を使い、ゴシゴシこすらず優しく洗うことが大切です。
② 紫外線と熱から髪を守る
ロングリタッチ後の髪は特に紫外線や熱の影響を受けやすく、ダメージが進行すると色落ちやパサつきが加速します。外出時はUVカット効果のあるスプレーを使い、ドライヤーやヘアアイロンは温度を低めに設定しましょう。特にブリーチ毛は耐熱性が低いため、熱ダメージを避けることが重要です。
③ カラーシャンプーやトリートメントで色を長持ちさせる
カラー専用のシャンプーや紫シャンプーを使うことで、色持ちを良くし、黄ばみや退色を抑えられます。また、補修成分が豊富なトリートメントを併用することで、ダメージをケアしながら美しい発色をキープできます。週に数回、集中ケアマスクを取り入れるのも効果的です。
④ 伸び過ぎ防止と次回リタッチ計画
ロングリタッチを避けるには、根元が伸びすぎる前に定期的にサロンでメンテナンスを受けることが重要です。目安は1.5〜2ヶ月に一度のリタッチですが、髪の伸びる速度やライフスタイルによって前後する場合があります。サロンに行けない期間があるときは、根元を隠せる分け目に変えたり、ヘアマスカラやカラースプレーで一時的にカバーしましょう。
美容師からのアドバイス
アフターケアを怠ると、せっかくきれいに繋いだロングリタッチがすぐにダメージや色落ちの原因になります。毎日のケアと次回の来店時期を意識することで、髪の美しさを長く保てますよ。
ここがポイント!
- リタッチ後はぬるま湯と優しいシャンプーでケア
- 紫外線・熱から髪を守る
- 紫シャンプーやヘアマスカラで一時的にカバー
- 自分の毛周期を把握し早めに予約
ロングリタッチの難しさに関するよくある質問
Q1. ロングリタッチとは何センチ以上のことを言う?
一般的に根元が2cm以上伸びている場合をロングリタッチと呼びます。境界線が長くなるほど塗り分けが難しくなるため、1.5〜2ヶ月を目安にサロンでリタッチすることをおすすめします。
Q2. ロングリタッチは自分でもできる?
自宅でのロングリタッチは塗布幅のコントロールや薬剤選定が難しく、色ムラやダメージの原因になります。プロに相談し、髪の状態を見てもらった上で施術するのが安全です。
Q3. ロングリタッチ後の髪を長持ちさせるコツは?
施術当日はシャンプーを避け、翌日以降はぬるま湯とカラー専用シャンプーで優しく洗い、補修効果のあるトリートメントや紫外線対策を取り入れましょう。ヘアオイルやナイトキャップで乾燥や摩擦を防ぐことも大切です。
まとめ
ロングリタッチは、根元だけ染めればいいと簡単に考えがちですが、実際は髪の状態を見極める力やミリ単位での塗り分けが求められる高度な技術です。
新生部と既染部の違いを理解し、適切な周期でリタッチを行えば、切れ毛や色ムラを防ぎながら美しいカラーを長く楽しめます。
アフターケアと予防策を取り入れ、信頼できる美容師と一緒にプランを立ててくださいね。
この記事からわかる5つのポイント
- リタッチは根元のみを染める基本技術だが、簡単ではない
- ロングリタッチが難しい理由は境界線の塗り分けと立体的な頭の形
- 極薄スライスやフォイルなどプロの工夫で成功率が上がる
- 適切なリタッチ周期は1.5〜2ヶ月
- アフターケアと計画的な予約でロングリタッチを防ぐ
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